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無縁墓の承継者捜しの問題

無縁墓の改葬手続きをおこなうにあたり、墓地霊園管理者が墓地埋葬法施行規則第三条などを根拠に無縁墓の縁故者(=相続人)の戸籍を取得できるか?

 

長年にわたり墓地霊園管理者に管理費用等が支払われず、墓地の使用者や使用者だった方の承継人が不明となり、誰にも維持管理されていない無縁墓の問題があります。
この無縁墓は、墓地霊園管理者が墓地埋葬法施行規則第三条などを根拠に改葬手続きをすることが出来ることになっています。

しかし、墓地霊園管理者としても相当な手を尽くして無縁墓の承継人や縁故者を探したあとでなければ後々の問題となってしまいます。

そこで、墓地霊園に備え付けてある台帳などの本籍地や住所地から、戸籍や戸籍の附票を取得して埋葬されている方やお墓の使用者の縁故者(=相続人)を探し出すことが出来るかに疑義があります。

この問題に付き、法務局に問い合わせをして回答をいただきました。

まず、墓地埋葬法施行規則第三条を根拠に、墓地霊園の管理台帳などから埋葬者や墓地使用者となっているかたの戸籍や戸籍の附票等を取得することはいささか疑義が残るとの法務局の回答をいただきました。
墓地埋葬法施行規則第三条は墓地霊園管理者が改葬できることを定めています。墓地霊園管理者様にとっては、お墓の使用者や承継者・縁故者を捜し出した上で改葬するのか否かを決定したいところではあると思いますが、墓地埋葬法施行規則第三条を根拠にして墓地霊園管理者が戸籍などを取得することは難しいものと思われます。

もう一つの根拠として、金銭債権回収を根拠にしてお墓の使用者や承継者・縁故者を探す必要があると想みることも出来ます。
墓地霊園の使用にあたっては管理費が発生する場合がほとんどだと思います。通常は墓地霊園使用にあたっての管理規約などに定められているものと思います。
お墓の使用者や承継者・縁故者がいないということは、つまり管理費等も長らく未納になっているわけですから、この管理費等を徴収することを目的としてそれを根拠に戸籍や戸籍の附票等を取得することができる可能性があると思われ、この点、法務局からも取得できる可能性として考えられる旨の回答をいただけました。
しかし、これは個別の判断事項であり、実際に戸籍や戸籍の附票等を請求するにあたっては当該市区町村役場に事前に確認したうえで取得できるかどうかの判断となる、とのことでした。また、管理費等がない墓地霊園においては、金銭債権回収を根拠に戸籍等を取得できる余地はないものと思われます。

無縁墓改葬手続きを手がけるかたの中にはHP上などで、戸籍等を取得した上で承継者捜しをする旨を記載なさっているところもありますが、必ずしも全ての場合において取得できるわけではなく、こちらのほうも私としてはいささか疑義がのこります。

結論として、無縁墓改葬手続きをおこなうにあたり戸籍等を取得してまで承継者捜しが出来るかどうかは、その都度個別に判断されるということになるのだと思います。